芸能

伊武雅刀 『スケバン刑事』悪役教師役は「気持ち良かった」

声の仕事でも定評がある役者・伊武雅刀

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、ラジオやアニメなど声の仕事で注目を浴びた役者・伊武雅刀が、映画やテレビに出演していくようになった時代について語った言葉を紹介する。

 * * *
 伊武雅刀はラジオ、アニメ、ナレーションといった声の仕事で注目を浴びた後、1980年代に入ると中村幻児『ウィークエンド・シャッフル』、相米慎二『ションベンライダー』といった当時気鋭の監督たちの映画に続けて出演していく。

「映像の仕事をやるに際して、声の仕事は少しずつ減らしていきました。その減らした時間にプロデューサーや若手の監督たちと会って。それでも半年くらいは映像の仕事は来ませんでしたが、準備期間になりました。

『ウィークエンド・シャッフル』の初号試写を観た時は『ダメだ』と思いましたね。なんて間抜けな顔をしているんだ。俺の顔は映像向きじゃない。そのぐらい自信が持てませんでした。

 相米監督には本当にお世話になりました。『考えなきゃダメだ』ということを初めて教わりましたよ。ただセリフを覚えて感情のままにやればいいんじゃない、と。どのシーンでもテストやっていてなかなかOKが出ないんです。それで時々寄ってきて『お前よ、このおまわりはこの町でどんなものを食べて、どういう人と知り合ってきたのか。そういうことまで考えないと芝居はできないだろう』ってボソッと言うんです。

 ですから、相米さんにはとても感謝しています。あまり演技をつけないような早撮りの監督に最初についていたら、役に臨むということに気づくのは遅くなっていたと思います」

関連キーワード

関連記事

トピックス

3月末でフジテレビを退職する永島優美アナ(インスタグラムより)
《フジ永島優美アナ電撃退社》父・昭浩氏が明かした「娘の次なるチャレンジ」「ダンスやフルーツ方面」の仕事、「フジ問題との関係」は否定
NEWSポストセブン
19才の誕生日に成年式が開催される悠仁さま
悠仁さま「成年式」は異例の“19才の誕生日に開催”、詳細は“発表がない状態”の不安 進学先の筑波大学の受け入れ体制、小室眞子さんとの関係も難題に
女性セブン
稲田朋美・元防衛相の政治資金収支報告書に疑問視される支出が(時事通信フォト)
稲田朋美・元防衛相、政治資金約156万円で“バレンタイン支出”疑惑 2月にエルメス、バーニーズニューヨークに贈答品代を支出「本当に政治活動に必要か」との指摘
週刊ポスト
れいわ新選組にいま何が起きているのか(山本太郎氏。写真/共同通信社)
れいわ新選組・山本太郎氏、ロスジェネと30代を中心に政界の想定を超えた支持「時代が太郎さんに追いついてきた」「特定の支持母体を持たないのが魅力」…支持者たちの思い
週刊ポスト
日本人歴代4人目のNBAデビューを果たした河村勇輝(23)と、熱愛が報じられた中森美琴(23)
《NBAで大躍進の河村勇輝》熱愛報道のお相手は今も日本で“アイドル活動”を継続、本契約で“海外ゴールイン”の可能性
NEWSポストセブン
オンラインカジノ問題で名前が報じられた山岡泰輔(時事通信フォト)
《プロ野球・オンラインカジノ問題》NPBが恐れる「黒い霧事件」のトラウマ 野球賭博に関連した八百長で永久出場停止など厳しい処分の過去
週刊ポスト
中国の大手SNSでCAを盗撮したと思われる画像が投稿されていた(Xより、提供:@Parsonalsecret)
《全日空CAが標的に…》海外SNSに投稿された乗務中の“盗撮画像”に「マジでキモい」と批判殺到 ANA広報部は「決して許されない行為と捉えています」「2023年より撮影罪で処罰の対象」
NEWSポストセブン
(TikTokより)
「最年長ファンと関係したい」「介護施設にいる人は連絡して」金髪美女インフルエンサー(24)の仰天企画に“高齢者いじめ”と批判殺到《ボニー・ブルーの元盟友》
NEWSポストセブン
鹿児島実業高校サッカー部の監督が“泥沼不倫裁判”
《前園真聖・遠藤保仁らを輩出》名門・鹿児島実業高校サッカー部監督と部員母の“泥沼不倫裁判” 「チュー」「濃厚なの」証拠として提出された“大量の不適切LINE”
週刊ポスト
日本人女性が“路上で寝ている動画”が海外メディアで物議を醸している(YouTubeより)
《真夜中の歌舞伎町、路上でスヤスヤ…》無防備な日本人女性が“路上で寝ている動画”が海外メディアで物議「これが当たり前なのか」「治安がいいからね」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告と父・修被告
「ホテルへ行ったら、男女のことだから…」田村瑠奈被告と被害者の「ゴムを外したプレイ」を父・修被告が「気にしなかった」と主張する理由【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
路上で下着などをあらわにした写真を繰り返し投稿している女性(Xより)
“156センチ、ぷるるんダンサー”の女性が恵比寿ガーデンプレイスであられもない姿に…施設側が回答「あまりにも品がない」 弁護士の見解は
NEWSポストセブン