「儒教の呪いを肌で感じた。日本はやっぱり、この国との付き合い方を根本的に考え直さなければいけないと思う」
著書『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』が話題のケント・ギルバート氏は、2日間の緊急ソウル取材を終えて、そう感想を語った。大統領選が終わった直後の韓国に飛んだケント氏が見たものとは──。
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SAPIO編集部から依頼されて急遽行くことになった今回の韓国取材は、偶然に恵まれた。
5月15日。約10年ぶりとなるソウルは、ガラス張りの高層ビルが建ち並び、様相は一変していた。市内のあちこちで大規模な再開発が行われ、建設用のクレーンがニョキニョキと伸びていた。
到着後、すぐに向かったのは文在寅大統領の私邸だ。乗せてくれたタクシーの運転手は、文氏と同じ慶熙大学の3年後輩だと語った。
「文大統領は質素な人です。おだやかで精神が強く、言ったことは実行する。民の心がわかるんです。彼は朴槿恵のようにはならないでしょう」
そう文氏への強い期待を口にした。そして多くのソウル市民が、同様の期待を新大統領に寄せていた。
中心部から約25分、タクシーは幹線道路を外れて車がようやくすれちがえるような細く急な坂を登っていく。ソウル市西大門区弘恩洞(ホンウンドン)。駅から遠く、地価も安い「庶民の町」だという。