ソーラーシェアリングとは、農地に太陽光パネルを設置し、発電と農作物栽培を同時に行なうことをいう。「SJソーラーつくば(SJ社)」という事業者が発電を担い、地元の農業生産法人がパネル下での農作物栽培を行なう。SJ社は中国国有の国家電力投資集団公司の傘下企業である「上海電力」の日本法人・上海電力日本が出資した企業で、上海電力日本の社長がSJ社の社長も兼務している。2016年4月に同地で行なわれた起工式には中国大使館の公使らも出席した。上海電力関係者の証言だ。
「発電出力は約30MW。プロジェクトへの投資額は130億円を超える。東京電力と2015年4月に売買契約を結び、売電価格は2013年度申請時の36円/kWh。年間の販売額は約10億円と見込んでいる」
用地は200人近くの地権者から20年間借り受ける契約で、賃貸料は「1000平方メートル当たり年間10万円程度。SJが9割超、農業生産法人が1割弱を負担する」(地元関係者)というから、50ヘクタールなら年間約5000万円の賃料になる。
このソーラーシェアリング事業について、つくば市議のひとりがこう疑問を呈す。
「太陽光パネルと無数の支柱という障害のあるソーラーシェアリングは機械化農業ができない。50ヘクタールという広大な農地でありながら人手を使った人海戦術で作業するほかなく、人件費が多大に掛かるのです。日陰作物は単価も安く、とてもペイできるビジネスとは思えません。それでも農業もするという条件で発電事業の許可が下りた経緯がある。
最初から土地の取得が目当てで、ソーラーシェアリングは方便だったのではとの疑念が拭えない。20年後に上海電力が地権者へ土地の買い取りを打診するのではないか。私たちも動向を注視しています」