放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、TBSラジオの強さの秘密について。
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在京テレビ局の年度視聴率では3期連続で日本テレビが“3冠王”を達成していることは皆さんもご存じのとおりだ。
ではラジオはどうかというと、17年4月に行われた首都圏ラジオ個人聴取率調査(ビデオリサーチ調べ)でトップを獲得したのがTBS。実は15年10か月間にもわたってNo.1を獲得中なのである。
それより前は若者に人気が高かったニッポン放送の独壇場だったのだが、その層のラジオ離れや聴取者の高齢化が顕著となっていく。その頃からTBSラジオは、森本毅郎、大沢悠里、毒蝮三太夫、荒川強啓、そして故・永六輔さんら、年配リスナーのハートをガッチリ掴んでいるパーソナリティーを揃えており、彼らのワイド番組は、どれも横並びトップの聴取率を獲得。いずれも長寿番組に育っていったのである。
テレビとは異なり、ラジオの場合は、朝、チューナーを合わせたら、「ずっと、そのまま」というリスナーが少なくない。自営業やタクシーを始めとするドライバーによる“ながら聴取”も多く、なかには入院中の患者さんが一日中、イヤホンで愉しむことも。よって、早朝、TBSラジオにチューナーを合わせてもらうことがとても大事なのである。
そんなTBSラジオで、月~金の5時~6時30分にオンエアしているのが『生島ヒロシのおはよう定食・おはよう一直線』。なんと、6月5日に放送5000回を迎える。
同日はハワイから生中継を行い、ゲストは松原千明&すみれ親子。生島に対して、ハワイ州知事やホノルル市長からサプライズが用意されていると聞く。
生島ヒロシは1950年、宮城県気仙沼市生まれの66才。TBSに入社したのは76年で、同期は鈴木順、高橋進、故・松宮一彦さんと生島の男性アナばかり4人。当時、「TBSヤングライオンズ」と呼ばれた期待の新人で、入社試験時、生島が「TBSのために絶対に役に立ちます」と拳を振り上げたというエピソードは、それから4年後、TBS954キャスタードライバーになった私の耳にも入るほどの“伝説”だった。