毎クール数多くのドラマが放送されている中で、特に人気が高いのが刑事ドラマだ。今クールも『緊急取調室』(テレビ朝日系)、『小さな巨人』(TBS系)、『CRISIS~公安機動捜査隊特捜班~』(フジテレビ系)など警察モノがアツい。
そんな刑事ドラマで気になるのが、「どこまでがリアルなのか」ということ。刑事ドラマでおなじみの展開も、実はフィクションならではなのことなのかもしれない──。そんなドラマのウソ・ホントを、『「警察ドラマ」のトリビア ~ドラマを100倍楽しむために』の著書があり、警察監修多数の倉科孝靖さん、犯罪評論家で元千葉県警部の田野重徳さんに聞いた。
◆捜査一課は殺害現場にいちばんに駆けつける?
鑑識などに交じって遺体を調査する捜査一課の刑事──。これも警察ドラマではおなじみのシーンだ。
「殺人事件では、犯人がわからない現場に捜査一課が中に入ることは、まずありません。場合によっては署長も入れません。ちょっと歩いただけで、髪やすね毛が落ちて、現場が混乱するんです。現場は証拠の宝庫なのに、鑑識活動に影響してしまいます。もし入る場合には、手袋、下足カバーの他に、頭にキャップを被ります。格好が悪くなるので、キャップを被っている刑事を、ドラマで見ることはありませんよね(笑い)」(田野さん)
◆ホームレスの情報屋がいる?
刑事が情報屋から裏情報を購入するのは、刑事ドラマにはよくある場面。情報屋がホームレスというケースも実際にあるという。
「彼らは組織化していて、どんな情報を持っているのか、こちらもだいたい把握しています」(倉科さん)
◆捜査員はホワイトボードに事件の情報をまとめる?
犯人や被害者の写真をホワイトボードに貼って、事件の情報をまとめるのは見所のひとつ。しかし…。
「本当はありません。視聴者にわかりやすくする演出です。実際は黒板に模造紙を張って、発生日時、場所、被害者の氏名くらいしか書きません。突然誰かが部屋に入ってきても、情報が漏れないようにするためです」(倉科さん)