「大関の名に恥じぬよう正々堂々精進します」──5月31日に行なわれた伝達式の口上通り、大関の名に恥じぬ堂々とした豪遊ぶりだった。
伝達式当日の朝、会場にいた兄弟子の横綱・稀勢の里は記者たちに高安とのツーショットを促されるも「今日はオレは主役じゃないよ」と断わり、伝達式の後にようやく高安とがっちり握手。「こんなに嬉しいことはない」と目を細めた。
だが、その30数時間前。2人は一足先に喜びを分かち合っていた。
大関昇進が内定した5月場所千秋楽翌日(29日)の午後10時ごろ、高安と稀勢の里は田子ノ浦部屋関係者らとともに銀座のクラブに現われた。左腕の負傷で途中休場に追い込まれた稀勢の里だが、最愛の弟弟子を祝うべく、この晩は“強行出場”したようだ。
座るだけで5万円は下らない高級クラブでの様子は窺いしれないが、日付が変わる間際に店を出た2人は2軒目のバーに移動した。
先に出てきたのは稀勢の里。途中休場の身だからか外では笑顔を見せることはない。スーツ姿の男性に声を掛けられると、握手で応えたもののむすっとしたまま。一方、数分遅れて出てきた高安は、対照的だった。