古来、滋養強壮の効果で知られるニンニク。6000年前の古代エジプト時代から口にされてきた「健康食品」だ。そのニンニクと一部の「薬」の組み合わせで注意すべき作用が起こる。
薬学博士で日本くすり教育研究所・代表理事の加藤哲太氏が解説する。
「ニンニクに含まれるアリシンという物質には血栓をできにくくして、血液をサラサラにする作用があります。ところが、ニンニクと抗凝血薬のワルファリンを一緒に飲むと、指先を軽く切った程度でも血が止まらなくなってしまうリスクがあります」
この例が示すように、薬の作用は食べ物や飲み物との組み合わせによって大きく変わる。互いに似た作用を持つニンニクと抗凝血薬を併用すると「作用の増強」が起こって、効果が必要以上に強まってしまうのだ。
「これとは逆に、反対の作用を持つ食品と薬の飲み合わせによって互いの効果を打ち消して薬が効かなくなってしまうこともあります。これを『作用の減弱』と呼びます」(加藤氏)
影響は「増強」「減弱」だけでなく、食べ物の成分によって薬の吸収のスピードが早くなったり遅くなったりしてしまうこともある。