四半世紀の時を超えて、6月7日放送の『日本の名曲 人生、歌がある』(BS朝日)で五木ひろし(69)、郷ひろみ(61)、田原俊彦(56)の3人が揃い踏みする。五木司会の同番組で、郷の『GOLDFINGER ’99』を一緒に歌う。
五木と郷は1970年代から、田原は1980年代から歌謡界を引っ張ってきたスーパースター。1980年代は頻繁に音楽番組で顔を合わせていたものの、1990年代以降は共演の機会が減っていた。芸能担当記者が話す。
「3人の共演は、おそらく1988年12月14日の『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)以来、28年半ぶりではないでしょうか。この時、郷は1か月出演し続ける『マンスリー』ゲストを務めていました。同年、五木は日本レコード大賞の金賞を10年連続で受賞。田原は主演ドラマ『教師びんびん物語』(フジテレビ系)と主題歌『抱きしめてTONIGHT』が大ヒットしています」
これ以降、共演が実現しなかった理由の1つには、テレビ界の構造変化がある。1980年代半ばまで音楽番組は強力なコンテンツだったが、視聴率の低下により1989年9月に『ザ・ベストテン』(TBS系)が11年8か月の歴史に幕を閉じると、1990年3月には『歌のトップテン』(日本テレビ系)、9月には『夜のヒットスタジオ』が相次いで終了。ゴールデン帯の歌番組が一気に消えてしまった。
「1980年代前半までは演歌、ニューミュージック、アイドルが一緒くたに出演しても、視聴率20%台をキープしており、大晦日のレコード大賞は30%を超えていた。テレビ界にとって、歌番組が強力なコンテンツでした。しかし、1980年代後半になると、数字が獲れなくなった。『夜ヒット』はゴールデン帯で存続しつつも、他の曜日にロック・ニューミュージック専門、洋楽専門、演歌専門という細分化した派生番組を作っていたほど。家族一緒に歌番組を楽しむというスタイルが消えていったのです」