眞子内親王の婚約報道に際し、ご結婚時に1億円を超える一時金が払われることが話題になった。そんな中、政府や有識者が意見を戦わせてきた「生前退位」をめぐる議論においても、皇室の財産をめぐる議題が浮上したというのだ。それは「相続税」である。これはもうひとつの「皇位継承問題」である。
ここで天皇家の財産の歴史について振り返ってみる。戦前、皇室財政は国家財政と分離しており、全国規模の林業経営などで莫大な収益を上げた。三井、三菱などの大財閥を優に超える資産を形成していた。
終戦直後の1945年11月、GHQ(連合国軍総司令部)は「天皇は世界有数の財閥であり、ただちに財産税賦課によって適切に処理されるべき」として、皇室財産の解体に着手した。GHQによる評価の結果、弾き出された昭和天皇の財産は37億1563万円だった。
主な内訳は、皇居や赤坂御用地といった土地(7憶7263万円)、宮内庁舎などの建物(2億3414万円)、皇室所有の御料林の木材である立木竹(16億3976万円)、美術品(4億4949万円)、有価証券(2億2012万円)、現金預金(5500万円)などとなっている。
GHQによって評価された天皇家の財産はいきなり大半が消えることとなる。