プロ野球・交流戦の開幕カードとなる楽天との初戦に、巨人は満を持してエース・菅野智之(27)をぶつけた。ところが5回8失点と打ち込まれて屈辱のKO。
リーグを代表するエースを打ち砕いた楽天は今季、12球団トップのチーム打率.283(5月31日終了時点、以下同)。32勝12敗でパ・リーグ首位を快走中だ。対する巨人は借金生活で6月を迎え、パの新興球団とかつての球界の盟主の明暗が分かれた格好である。
楽天と巨人でなぜこんな大きな差が生まれてしまったのか。育成がことごとく失敗した巨人と成功した楽天という「チーム編成」に加えてベンチに座るコーチ陣の力の差を指摘するのは、巨人OBでコーチ経験豊富な黒江透修氏だ。
「交流戦開幕戦で楽天が菅野を打ち崩せたのは、2年目の1番打者・茂木栄五郎(23)がいたから。第1打席で粘って菅野に全球種を投げさせた上で、10球目をレフト前に打ち返してリズムを崩し、2番・ペゲーロ(30)以降につないだ。
主軸につなぐそうした意識を徹底させるのが監督やコーチの役割です。ベンチと選手の意思統一が機能している楽天とは対照的に巨人はバラバラ。
高橋監督は指導者経験が浅いのだから、コーチ陣が“坂本(勇人、28)につなごう”といった指示を徹底すべきなのですが、江藤智、二岡智宏といった打撃コーチ陣もやはり経験がないので全くできない」