海外出張費や事務所費問題に端を発した舛添要一氏に対するバッシングは、週刊誌やワイドショー、都議から国会議員、左から右まで、あらゆる思惑を呑み込みつつ炎上し、いつしか国民の一大関心事となった。ほかにも、正月の「ホテルで会議」や「湯河原別荘で温泉使用に公用車使用」など様々なバッシングを受けた。1年の謹慎を経て、前都知事は、いま何を思うのか。沈黙を破って『都知事失格』(小学館)を上梓した舛添氏に、石原慎太郎時代から都政を取材してきたジャーナリスト・青木理氏が訊く。
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巨大首都ではあっても都知事は自治体の長にすぎない。なのに舛添知事は外遊を繰り返し、ファーストクラスやスイートルームを使ったことも非難の的となった。
「私からそうしろと指示したことは一度もないんです。従来通りにやっていただけだし、現地に着いてすぐ仕事をするわけだから、遠方ならやっぱりファーストクラスだと身体が楽。スイートルームなら会議室もあるから、打ち合わせや取材対応などに使えてむしろ安上がりな面もある」(舛添氏・以下「」内同)
確かに、舛添氏だけを批判するのは公平性を欠く。従来の都知事も同様だったし、石原知事時代には、知事本人はもちろん、時に妻や側近までファーストクラスを使い、現地の滞在先がスイートルームは当たり前。ガラパゴス諸島を視察した際は豪華クルーザーまで借り切った。一方、舛添氏は「都市外交」に取り組んだというのだが、それでもこれほど“豪華外遊”を繰り返す必要があったのか。舛添氏はこう反論する。