日々の健康を手助けする「サプリメント」と薬の飲み合わせにはリスクがある。サプリメントは、通常の食事ではわずかしか取れない栄養分を効率よく摂取するための補助食品だ。成分が“凝縮”されているからこそ、医薬品との併用には特に気を配る必要がある。
業界大手のファンケルは顧客からの飲み合わせ相談に対応できるよう、相互作用データを蓄積させた「SDIシステム」を用意している。
「自社製品約100種類と3万種類の医薬品の相互作用をデータベース化し、顧客から電話や店舗での問い合わせがあれば瞬時に検索できます。データは医薬品の添付文書や論文などから収集し、医師の監修を経てからデータベースに盛り込みます。顧客からは年間3万件以上の相談があります。服用している薬を聞いた上で、その薬との飲み合わせで問題が出ないサプリや健康食品の案内も行なっています」(ファンケル広報グループ)
それだけ飲み合わせの問題への関心が高まっている一方で、サプリと薬の関係の正確なところがまだあまり知られていない現状がある。薬剤士の堀美智子氏が最もポピュラーなサプリであるビタミン類について解説する。
「ビタミンAはテトラサイクリン系の抗生物質と併用すると頭部の血圧が上昇し、激しい頭痛が起こる恐れがあります。また大量のビタミンCと利尿薬(アセタゾラミド)を併用すると、腎・尿路結石が起こる可能性があります」
アンチエイジングサプリとして知られるコエンザイムQ10の成分は別名「ユビデカレノン」という。薬学博士で日本くすり教育研究所・代表理事の加藤哲太氏が指摘する。