安倍政権は2012年12月の再登板以来、4年6か月という長期政権となった。閣僚らの失言・不祥事などは相変わらずあり、自身が追及される森友問題などもあるが、支持率は概ね50~60%台を堅持してきた。「長期安定政権」はなぜ実現できたのか。“一強”安倍政権の理由を、『安倍官邸「権力」の正体』を上梓した作家の大下英治氏が分析する。
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安倍晋三は、2007年に自身の健康不安で政権を投げ出してから5年後に総理として再登板を果たした。第一次政権を含めた在任日数は、平成では小泉純一郎を抜いて1位、戦後で見ても佐藤栄作、吉田茂に次ぐ3位と抜群の安定感を誇っている。
現在の安倍政権の安定感は、第一次の失敗から学んだことにあると私は見る。通常、自ら政権を投げ出した総理に再登板の機会が与えられることはまず考えられない。それが許されたのは、安倍晋三の人柄によるところが大きい。
しかし振り返れば、その人の良さが、第一次政権では仇になった。