よい居酒屋に巡りあえるコツはあるのか。ミニコミ誌『酒とつまみ』創刊メンバーの大竹聡氏による週刊ポストの連載『酒でも呑むか』から、よい居酒屋とはどんな店なのかわかる方法についてお届けする。
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居酒屋の良し悪しは、ポテトサラダを食べてみればわかる。あるいは、煮込みを食えばわかる。そんな話を聞いたことがあります。実にさまざまな店を巡ってきた飲兵衛の、それが結論ということなのでしょう。
が、私は、あまりピンとこない。ポテサラや煮込みがうまい店は、たとえば〆鯖などもよろしかったりするし、極端な話をするとそういう店は生ビールだってうまい。
つまり、いいネタを、きちんと管理して、古くならないうちに出す、という基本を大事にする大将なり女将さんなりがいて、その仕事を楽しみに来る客のほうでも、それを理解しているから、いつもおいしい、ということなのではないか。つまみの話だけではなくて、ビールサーバーの清掃がきちんとできているかどうかなど、気になりだすと、店によって大きな差があることもわかる。