6月13日、サッカーW杯アジア最終予選で日本はアウェーでイラクと対戦する。この試合に勝てば、W杯出場に王手がかかる。約3か月ぶりとなるW杯予選はテレビ朝日系で中継され、松木安太郎氏が解説を務める。
前回の3月23日、日本はUAEをアウェーで2対0と下した。前半13分、23歳の新鋭・FW久保裕也が代表初ゴールを決めると、後半6分には2年ぶりの代表復帰となった34歳のベテラン・MF今野泰幸が右足で追加点を挙げた。
テレビ朝日系列で中継されたこの試合で解説を務めた松木氏は、いつもと一味違う解説を披露していた。松木安太郎研究家でライターのシエ藤氏はこう分析する。
「松木氏は、劣勢になると興奮が収まらなくなります。たとえば、相手ペナルティエリア内に迫ると、何かと『ハンド!!』と叫び、PKを奪いに行くほどです。しかし、この日は最近にない2点リードする展開。絶叫のイメージが強いだけに、どう言葉を紡ぐのかに注目していました。すると、2対0の余裕が、松木氏の新たな一面を生み出しました。着目する点は同じ『ハンド』でしたが、全く違う引き出しを開けてきたのです」
後半29分、前線に走り出した久保にパスが通ったかに見えた。しかし、手前でバウンドしたボールは久保の手に当たってしまい、ハンドで相手ボールとなってしまう。すると、松木氏はこう呟いた。
「ボールが悪いよね。久保のせいじゃない」