中国の密輸グループが中国・深センから隣接する香港の学校に通学している小学生を使って最新のiPhone(アイフォーン)を中国側に密輸させていることが明らかになった。5月下旬の1日だけの摘発だけで、複数の小学生のリュックサックから全部で90台ものiPhoneが押収された。総額で100万元(約1650万円)相当に上る。
香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると、深センから香港の小学校に通学する小学生は2万8000人に上っており、税関ではほとんどノーチェック状態だという。
これに目を付けたのが密輸グループで、子供たちにiPhoneの運び屋として使うことを思いついた。通常の場合、香港でiPhoneを購入して中国側に持ち込む際には、税関で関税を支払わなければならない。香港はタックスフリーのため、税金がかからない。
それを香港で子供たちに預けて、深センに戻ったところで、回収すれば、関税分を儲けに上乗せできるというわけだ。
運び屋役に利用された子供たちは犯行グループから「深センでアイスクリームやマクドナルドのハンバーガーなどを買ってあげる」などと言われて、iPhoneを運んでいたという。
税関職員は、子供たちのなかに、異様に膨れ上がっていたリュックサックを背負っている子がいたため、子供たちが運び屋として使われていると気が付いた。