受動喫煙対策強化の法案提出は先送りされたが、議論百出の状態だ。もっとも大きな話題となったのは、5月15日に開かれた自民党厚生労働部会で、大西英男・衆議院議員が、「がん患者は働かなくていい」、とヤジを飛ばしたことだろう。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、大西議員の言動に対して、2つの言いたいことを述べる。
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受動喫煙の防止策を検討していた自民党厚生労働部会で、失言の多い議員がまた失言した。
「(がん患者は)働かなくていい」
多くの食堂や居酒屋では、受動喫煙の対策がすすんでいない。受動喫煙の健康に対する害はよく知られているが、その害にさらされながら働くがん患者の実情を訴える三原じゅん子議員に対し、大西英男議員がヤジを飛ばしたのだ。
全国がん患者団体連合会は、がん患者の尊厳を否定しかねない、と抗議文を出した。大西議員は、「がん患者らの気持ちを傷つけた」として謝罪。しかし、発言は撤回しなかった。喫煙可能の店で、無理して働かなくていいのではないかという趣旨だったと言い訳した。この大西議員の言動に対して、2つ言いたいことがある。