国内

中国が最も「御しやすし」とした歴代首相は鳩山由紀夫

2014年11月の日中首脳会談 共同通信社

 したたかな外交戦略で日本を揺さぶり続ける中国。彼らにとって最も御しやすかった平成の首相は誰か。産経新聞外信部次長・矢板明夫氏が解説する。

 * * *
 中国が「御しやすし」とした歴代首相の筆頭は間違いなく鳩山由紀夫である。私は2009年10月に北京で開かれた日中韓サミットを取材したが、このとき鳩山は突如「日本は今まで米国に依存しすぎた。これからは中韓と仲良くする」と宣言した。これには日本政府関係者ばかりか中国の温家宝首相まで唖然とした。

 正体不明の「東アジア共同体」構想を掲げる鳩山は東シナ海のガス田開発問題でも、中国の胡錦濤国家主席に「東シナ海を“友愛の海”にしよう」と呼びかけるなど親中発言を連発した。

 頼んでもいないのに中国が期待する政策を連発した鳩山政権時代、中国の野心は膨張した。その後の安倍政権が対中で強硬な態度を取ると、中国は「安倍は軍国主義者だが日本の民意は鳩山にある」など、自らを正当化する手段として鳩山を今なお利用している。

 ちなみに鳩山政権の“最大の実力者”と言われた小沢一郎も中国とズブズブの関係だ。2009年12月に当時国家副主席だった習近平が来日した際、「30日ルール(*)」を破って天皇陛下と会見させた件は記憶に新しい。

【*国要人が天皇との会見を希望する場合、当日の30日前までに文書で申請することを求めた宮内庁と外務省間の取り決め。】

 その後の菅直人は前任者の反省から対中政策を若干厳しくした。2010年9月、尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件では、海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船船長を逮捕。法に則り粛々と対処する姿勢を見せた。

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【約4割がフジ社内ハラスメント経験】〈なぜこんな人が偉くなるのか〉とアンケート回答 加害者への“甘い処分”が招いた「相談窓口の機能不全」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【被害女性Aさんが胸中告白】フジテレビ第三者委の調査結果にコメント「ほっとしたというのが正直な気持ち」「初めて知った事実も多い」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン
記者会見を行ったフジテレビ(時事通信フォト)
《中居正広氏の女性トラブル騒動》第三者委員会が報告書に克明に記したフジテレビの“置き去り体質” 10年前にも同様事例「ズボンと下着を脱ぎ、下半身を露出…」
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン