「研究者」といわれるとつい、真面目一徹で面白みのないカタブツを思い浮かべてしまうが、研究対象へのあくなき“情熱”を語る彼らの話は、とにかく“ヘン”で面白いのだ──。
中部大学大学院生時代に「フィリピンパブ」を研究テーマに設定し、実態調査にのめり込むあまり、お店のホステスと結婚までしたのが、『フィリピンパブ嬢の社会学』の著者・中島弘象氏(28)である。
「大学のゼミでフィリピンへのスタディーツアー(研修旅行)に参加したのがきっかけで、大学院に進んで在日フィリピン女性たちの生活実態の調査研究を始めたんですが、フィリピンパブにも行ったことがないのでは説得力がないと思って店に通い始めた。
ところが、偽装結婚とか不法就労とかの実態って、店の女の子に聞いてもなかなか教えてくれない。はぐらかされてばかりでした。結局、妻になった彼女と付き合い始めて、初めて全体像が見えた」