「儒教の呪いを肌で感じた。日本はやっぱり、この国との付き合い方を根本的に考え直さなければいけないと思う」
著書『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』が話題のケント・ギルバート氏は、2日間の緊急ソウル取材を終えて、そう感想を語った。大統領選が終わった直後の韓国に飛んだケント氏が見たものとは──。
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SAPIO編集部から依頼されて急遽行くことになった今回の韓国取材は、いくつかの偶然に恵まれた。
第一の偶然。目の前で、文在寅大統領の引っ越しが行われていたのだ。階段を降りてきた業者は、手にした洋服を次々にトラックに乗せていく。シワだらけのジャケットやワイシャツも多い。確かに質素な引っ越しだ。そばで多くのSPが見守っているのと、不釣り合いに見える。
タクシー運転手は「こんなところに住んでいたなんて……。私だって、もう少し家賃が高い地区に住んでいるのに」と語った。こうした面が「朴槿恵とは違う。文大統領は庶民のことを考えてくれるはずだ」という期待につながっているのだろう。