都心部を中心とした「墓不足」が社会問題化している。解決の処方箋になり得ると期待されるのが、都心に建つ“新しいタイプの墓地”だ。だが、そのビジネスモデルの根幹を揺るがす問題が浮上している──。
“地方から東京に出てきてそのまま歳を取り、気が付けば入る墓がない”“故郷に残した墓の面倒を見られる人がいなくなったが、お骨を移す先がない”──そうした悩みを抱える人が東京近郊などで新たに墓を建てようとすると、数百万円単位の資金が必要になることは珍しくない。
そこで近年、急増しているのが、「ビル型納骨堂」「マンション霊園」などと呼ばれる新しいタイプの墓地だ。
ビルのなかに小さな納骨スペースを大量に備え、数千から1万基近くの“墓”を収容する。屋外の墓地に一基ずつ立てられた墓を「一戸建て」とするなら、ビル型納骨堂はまさに「大規模マンション」である。
◆「宗教不問」は宗教ではない?
“墓参り”の際にはロッカーのような納骨スペースに直接お参りするものもあれば、ICカードをかざすと骨壺がベルトコンベアで運ばれてくるタイプもある。