ダイエットなどを目的に糖質成分を少なめにした「低糖質」食品が、パンや麺以外にも広がっている。主な主戦場はコンビニ売り場だ。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。
* * *
この数年、主食や酒類を中心に導入が進んでいる「低糖質」が新たなステージに差し掛かっている。シンクタンクの富士経済の調査では2015年度に3185億円市場だった低糖質食品市場は2016年度にも3431億円市場へと7.7%拡大した。
もちろん中心となっているのは、糖質そのものである主食の「パン」「麺」市場やビール系飲料だが、ここへ来て一気にすそ野が広がっている。例えばコンビニエンスストアではこれまで「低糖質」というと「ブランパン」シリーズが爆発的なヒットとなっているローソンの独壇場だったが、他社も追撃を始めた。
ファミリーマートは昨年秋以来、ライザップと「糖質を抑えながらもおいしさにコミット」するコラボレーション商品をパン、デザート、焼き菓子、飲料などの各分野の商品を発売。ミニストップも4月にコメの量を6割減、肉のおかずを増やした「お肉ドーン!っと弁当」を発売した。598円と従来のコンビニ弁当と比較すると少し高めだが、糖質制限食が多少高額になるのは経験者なら、むしろ選択の幅が広がると歓迎する人もいるはずだ。