デビュー以来、驚異の連勝記録で注目を集める14歳のプロ棋士・藤井聡太四段。その規格外の人気に、将棋連盟も対応が後手に回っている。
「藤井四段が『大志』と揮毫した扇子は発売初日に1時間も経たずに売り切れとなりました。追加販売したいのですが、扇子に使われる日本産の竹は手配に時間がかかるとのことで、日程は今のところ未定です。対局中の写真が印刷されたクリアファイルも即日完売となりました」(連盟販売課の担当者)
対局中の一手一手はもちろん、注目はその一挙手一投足にまで及ぶ。『棋士とAIはどう戦ってきたか』などの著書があるルポライター・松本博文氏がいう。
「5月25日に、19連勝目となった竜王ランキング戦の取材をしていたのですが、夕食休憩で藤井四段がチャーシューメンの出前を頼みました。夕食時、せっかくだからと店に行って同じものを注文しようとしたら、同様のことを考えたファンがたくさんいて売り切れになっていたんです」
藤井四段が注文したのは東京・千駄ヶ谷の将棋会館にほど近いそば屋「ほそ島や」のチャーシューメン。同店店主・細谷千恵子さんは、「そば屋なのでもともとあまりラーメンのスープは用意していなくて品切れになることは少なくないのですが、藤井さんに頼んでもらってからの数日間は特にチャーシューメンの注文が増えました。どんどん勝ってほしい」と話す。
周囲の飲食店まで巻き込むような騒動は、長い将棋界の歴史でもなかったことだという。前出・松本氏が続ける。