〈上申書 下村博文事務所御中〉──そう表題と宛先がワープロ打ちされた文書には「平成28年8月10日」の日付と、下村博文・自民党幹事長代行の元公設秘書・平慶翔氏の直筆と思われるサインがある。女優・平愛梨氏の実弟で、都民ファーストの会の「目玉候補」として東京都議選(板橋選挙区)に出馬する人物だ。
安倍晋三首相が5月中旬に「細田派四天王」として挙げた下村氏は、次の改造人事で重要閣僚への起用が有力視されている。
そんな下村氏にとって、自民党都連会長として挑む都議選は、再入閣のためにも結果を残したいところなのだが、お膝元の板橋区で「現在ダントツ」(自民党都連関係者)を走る平氏は厄介な存在に変わった。
今回本誌・週刊ポストが入手したのは、下村氏が過去に“元愛弟子”との間で交わしたとみられる文書だ。これを元に取材を進めると、“第2の加計文書”になりそうな雲行きだ。
上申書は平氏が事務所退職にあたり、「職務上知り得た事実を第三者に漏洩しない」などと誓約する内容だが、その中に黒塗りにされた気になる箇所がある。