7月9日に初日を迎える名古屋場所の前売り券は発売わずか2時間で完売。ブームの中心にいるのは、やはり横綱・稀勢の里だ。6月は巡業がなく、力士がゆったりしたスケジュールを組める時期だが、稀勢の里に休む暇はなかった。
「6月4日は北の湖部屋を継承した山響部屋の部屋開きの土俵入りに駆け付け、その足で鹿島神宮での奉納土俵入りに向かった。9日には富岡八幡での奉納土俵入り、11日には水戸市で常陸山の像の前で土俵入りをしています」(担当記者)
新大関・高安とともに田子ノ浦部屋コンビが相撲人気を支えているのは間違いない。ただ、5月29日の横綱審議委員会では、稀勢の里に対して来場所の“休場勧告”が飛び出した。
「5月場所を11日目から休場した稀勢に対し、都倉俊一委員は“名古屋は休んで、万全を期して秋場所に復帰してもらいたい”ときっぱり。北村正任委員長も“稽古が十分でなかったなかでの出場に無理があった。白鵬のように万全の体を作ってほしい”と苦言を呈した。白鵬も今年の3月場所は、途中休場していますが、角界の宝である日本人横綱を大事に思っての発言でしょう」(協会関係者)
実は、田子ノ浦部屋が所属する二所ノ関一門の親方衆からも、7月場所の休場を求める声があるという。
「一門に日本人横綱が誕生したことで、様々なメリットが生まれた。連合稽古は一門に所属する部屋の持ち回りですが、稀勢の里が来れば見学にタニマチが集まりやすい。当然、祝儀も増える。親方衆にとって一門の日本人横綱は“宝”なんです。それが2場所連続の途中休場になれば、進退伺いという話にもなりかねない」(前出の担当記者)