インターネットやスマホを使いこなすには、必要に迫られることがもっとも効果を発揮する。2016年のSMAP解散騒動をきっかけにスマホ操作スキル、とくにTwitter検索スキルを急激に上達させたファンが少なくない。
「ジャニーズのアイドルはSNSを全然やらないから、必要ないかなと思ってTwitterはあまり使っていませんでした。去年、SMAPが解散するかどうかと騒がれ始めたときからは一日に何度も見ています。主に”スマアカ”と呼ばれる、情報集めが得意なファンのアカウントをフォローしています。私は5スマ、5人のSMAPを応援するアカウントを主にフォロー。アンリーと呼ばれる、自分の推し以外はすべて排斥するアンチなファンのアカウントは慎重に避けます。そういうアカウントのつぶやきを見てしまうと、心をえぐられるので」(30代・会社員女性)
ファンの間での有名アカウントによる拡散力は、意外に大きい。6月19日の朝からSMAPメンバーのうち稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人が9月で現在の所属事務所を退社すると報じられた。Twitterで情報共有しているファンたちは、前日夜に前出の複数のスマアカがリツイートした、報道関係者がつぶやいては消した退社情報を閲覧済みだったため、大きな話題となってすでに拡散されていた。
「3人が事務所を辞めるという今回の話は、最初にリツイートで知りました。それによれば翌朝4時に情報解禁だったので、本当かどうか確かめるために朝4時を待っていました」(前出・会社員女性)
6月19日になると、朝4時台や5時台の早朝から、情報番組では街頭インタビューの模様が放送された。出勤前に番組を見たというある40代男性は「朝4時からファンの人が街にいるってすごいね」と、敏感に反応するファンの様子に驚いていた。前もって情報が拡散されていたことを考えれば、早朝から街頭でインタビューに答えられるファンがいても不思議はない。
SMAPファンにはTwitterの検索機能を使いこなす人も少なくない。ファンによって記録されたラジオ番組で話したことなど様々な出来事が、Twitterで拡散されることが多いからだ。ファンによる記録を探すのは、事務所の方針でインターネット配信や再配信にほぼ対応しないため、その放送時間を聞き逃す・見逃すと二度と情報を得られないためだ。Twitterには不向きといわれる保存についても、ツールを使いこなすことで補っている。
「以前は、Twitterは友だちとやりとりするくらいでした。今では、定期的にTwitter検索をして、情報を集めるのが習慣になっています。ハッシュタグや検索、記録に残すためにIFTTTを使ってメールにまとめたり、Dropboxに残すとか、いろいろ使うようになりました。必死になると使えるようになるものなんですね」(30代・公務員女性)