プロ野球は各チームとも70試合前後を消化し、シーズンの折り返し地点に差し掛かっている。楽天とソフトバンクが激しく首位を争っているパ・リーグと比べ、セ・リーグは広島が独走状態に入りつつある。
近年、先発投手は中6日で100球程度までという慣習が定着。DH制のないセ・リーグは特に、中継ぎの負担が増している。昨季、60登板以上はパ・リーグの4人に対し、セ・リーグは12人に上る。そのセ・リーグの12人のうち、今季、30登板以上で、防御率2点台以下に抑えている投手は今村猛、ジャクソン(ともに広島)の2人のみ(記録は6月28日現在。以下同)。つまり、登板過多の翌年、同じように活躍できる確率は非常に小さいのだ。野球担当記者が語る。
「ジャクソンも最近登板した5試合中4試合で失点。昨年の疲れが夏場に向かうにつれて出てきている印象です。しかし、広島は中田廉、一岡竜司らの若手中継ぎ陣が防御率2点台以下に抑え、勝ちパターンを作っています。
一方で巨人の低迷は、中継ぎの不調にも大きな要因がある。安定しているのはマシソンのみ(昨季70登板・防御率2.36、今季29登板・防御率1.85)。昨季の抑えで63登板の澤村は右肩痛で未だに1軍に昇格できず、64登板の田原も左膝痛で開幕を2軍で迎え、5月に昇格したものの、調子が出ずに登録抹消に。9年連続60登板以上の山口鉄也も、ケガで現在は2軍調整中。FAで中継ぎの森福允彦をソフトバンクから補強しましたが、2011年以降の6年で5年間も50登板以上をしているわけですから、今年思うように働けないのは予想できたことかもしれません」
抑えのカミネロは期待通りの活躍をしているものの、池田駿や篠原慎平、桜井俊貴といった若手の中継ぎ陣は信頼を得るに至っていない。これが、現在の巨人の低迷に繋がっているのではないか。