投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が7月3日~7月7日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみあいか。7月2日投開票の東京都議会選で、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」が過半数議席獲得の勢いと伝えられており、自民党は苦戦が見込まれる。加計学園問題や一部議員の問題ある行動・発言などに加え、防衛相が応援演説で自衛隊を政治利用した疑いがあることから、安倍政権への批判が一段と強まっている。都議選終了後に党内の不満が噴出し、これによって政局流動化への懸念が高まった場合、リスク回避的な円買いが広がる可能性は否定できない。
ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は6月13-14日の連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派寄りの方針を示しており、経済指標が良好なら年内追加利上げ期待が再び高まり、ドル買いに振れやすい展開も想定される。また、英中銀やカナダ中銀など主要国の中央銀行が金利正常化に前向きな姿勢をみせており、日本との金利差拡大を意識した取引が増える可能性があることから、クロス円レートは円安方向に振れやすく、この影響でドル高・円安の進行を促す可能性もある。
一方、下院で可決された医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案の上院採決の行方も注目される。減税などを柱としたトランプ政策に遅れが生じるとの懸念が強まれば、株安・ドル安が強まろう。
【東京都議会選】(7月2日)
事前の情勢調査によると、小池都知事が代表を務める「都民ファーストの会」が公明党など支持勢力を合わせて過半数議席を確保する可能性がある。自民党は加計学園の獣医学部新設計画など相次ぐ問題で批判にさらされており、議席数は伸び悩むことが予想される。
【米6月雇用統計】(7月7日)
7月7日発表の6月雇用統計は、失業率4.3%(前回4.3%)、非農業部門雇用者数は前月比+17.9万人(同+13.8万人)、平均時給は前月比+0.3%(同+0.2%)と予想される。このうち、平均時給の伸びが鈍化するとインフレ進行の思惑は後退し、ドル売りが広がりやすい。
・7月3日-7日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。