これまで世界で110匹、日本でも20匹しか発見されていないサメ「メガマウス」。そんな稀少なサメが今年は5月22日に千葉・館山市の房総沖で、同月26日には三重・尾鷲市沖でと、立て続けに2匹も捕獲された。この珍事を大地震発生の予兆ではないかと噂する声は絶えない。さて、真相は──。
東日本大震災当時は、その“予兆”として「地震雲」の存在が盛んに報じられた。これに限らず、不可解な自然現象が大地震と結びつけられることは非常に多い。
例えば、「大地震の直前にクジラやイルカが大量死する」という説がある。2011年2月22日に発生した「ニュージランド大地震」の1か月前には、同国南島ゴールデン湾に400頭ものクジラの死体が打ち上げられた。その翌月に起こった東日本大震災の直前にも、茨城県鹿嶋市の海岸にクジラ54頭が打ち上げられている。
◆プレートのズレが影響
そして、近年注視されるのが「メガマウス」だ。きっかけはやはり東日本大震災。発生2か月前に三重県尾鷲市沖でメガマウスが発見されていた。さらに昨年4月15日に再び尾鷲市沖でメガマウスが見つかり、その翌日には熊本地震が起こった。そして今回も大分(6月20日・震度5強)・長野(6月25日・震度5)での地震の1か月前に2匹のメガマウスが日本近海に出没したのだ。
日本でこれまで20匹しか発見されていない希少種が、大地震の前にたびたび発見される。この奇妙な符合を専門家はどう捉えているのか。海底地質学を専門とする地震学者で、武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏はこう推測する。