FA権を行使し、昨年オフにDeNAから巨人に移籍した山口俊が7月2日、古巣相手に初先発を果たした。ケガで出遅れた山口は6月14日のソフトバンク戦に移籍後初先発初勝利を飾り、これが移籍後3試合目の登板。名前がコールされマウンドに向かうと、DeNAファンから大ブーイングが巻き起こった。野球担当記者が話す。
「山口はDeNA時代に一度、抑え失格の烙印を押されながらも、中畑清前監督が先発に配置転換し、見事に復活。昨年はチーム最多の11勝を挙げ、チーム初のクライマックスシリーズ進出に貢献しました。ファンとすれば、暗黒期も経験し、これから上り調子になるDeNAで現役生活を全うしてほしかったというのが本音でしょう」
愛したがゆえのブーイング。山口はそれがよほど身に染みたのか、始球式を控える小学生の横で数度、舌を出して唇を舐めた。
初回こそ3者凡退で切り抜けたが、2回にロペスに先制ソロを許す。その後1死一、二塁のピンチを迎える。バントの構えをした今永昇太がストライクを見逃し、飛び出した2塁走者・宮崎敏郎がタッチアウトに。ピンチを脱したかに思えたが、投手の今永にヒットを打たれ、9番・倉本に2点タイムリーを浴びた。3回には2番・石川がヒットで出塁すると、3番・筒香が2ラン。序盤3回で5失点と炎上した。
「かつて11年間在籍したベイスターズでは、山口俊がメンタル的に強い選手ではないというのは周知の事実。もちろん巨人の首脳陣も知らないわけではないでしょう。だとすれば、なぜ移籍1年目でまだ2試合しか投げていない状態で、プレッシャーが掛かると分かり切ったDeNA相手に先発させたのか。要するに、新しい職場である巨人は、FA移籍してきたばかりの山口俊の性格を理解し切れていない。単純にローテーションが回ってきたから投げさせたとしか思えないのです。単なる“コマ”として起用している印象を持ちました」(同前)