中国は今後20年間で、総計で800億ドル(約8兆8000億円)もの宇宙関係予算をかけ、2018年には月の裏側の探査を行うほか、2020年には火星探査のための衛星を打ち上げるとともに、早ければ2031年までに宇宙飛行士による有人月面探査を実現する計画を立てていることが分かった。6月初旬に北京で開催された中国政府の宇宙計画会議で明らかにされた情報として、中国メディアが報じた。
中国は昨年10月、無人宇宙貨物船「天舟1号」を次世代ロケット「長征7号」で打ち上げ、宇宙空間に浮かぶ実験室「天宮2号」とドッキングなどの実験を行った。
今年秋には中国初の宇宙補給船「天舟1号」を打ち上げ、運用中の宇宙実験室「天宮2号」とドッキング実験を行う予定だ。これは、2020年ごろの完成を目指している中国独自の宇宙ステーション計画の一環で、ステーション内に食料や燃料を補給する技術の確立につなげるための実験といえる。
中国メディアによると、天舟1号は長さ約11メートル、幅約3.4メートル、打ち上げ時の重さは約13トン。当局はドッキングを数回実施。天宮2号への燃料注入実験も行う。
月面探査では、「嫦娥(じょうが)5号」を2017年末に打ち上げ、軟着陸させたうえで土壌の一部を持ち帰る作業を行う。18年前後には「嫦娥4号」を送り、世界で初めて月の裏側に軟着陸させ、宇宙に中継点を設け、月の裏側と通信する技術開発を進める。
さらに、2020年には火星探査機を打ち上げて火星を周回したうえで着陸し、火星の土壌を持ち帰るなどの探査作業を行うほか、火星に近い小惑星を撮影することなども計画している。