投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が7月10日~7月14日のドル・円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル・円はもみあいか。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長による議会証言が材料視されそうだ。足元の経済指標が強弱まちまちのため、FRBの利上げ継続方針には懐疑的な見方が根強いものの、証言内容次第ではドル買いが強まる可能性もあろう。
また、14日発表の6月米消費者物価指数(CPI)はFRBの利上げ方針を後押しする内容になるかどうか注目される。インフレ率が予想を下回った場合、年内追加利上げへの期待は後退し、ドル売りがやや強まる可能性がある。
5日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月13-14日開催分)によると、インフレに関して大半のメンバーが、最近における低調なインフレ関連指標は一時的な要因によるものとの見方を示している。ただし、複数のメンバーは物価上昇のペースは鈍化しているとし、インフレ率の伸び悩みは長引く可能性を指摘している。FRB当局者のインフレ見通しと実際の数字との間に大きな差異が生じつつあり、インフレ関連の指標に対する市場の関心は高いとみられる。
一方、北朝鮮のミサイル発射や核実験実施への懸念も引き続き円買い要因となりそうだ。周辺各国の要人発言などから朝鮮半島で緊張が高まりやすく、突発的な動きに警戒が必要だろう。
【イエレンFRB議長議会証言】(12-13日)
12日と13日の23時から、半期に1度のFRB議会証言が行われる。イエレン議長は6月13-14日に開催したFOMC会合でのタカ派的な利上げ方針について説明する見通しだが、議会証言は7日に公表される金融政策報告に沿った内容になるとみられている。追加利上げ時期やバランスシート縮小が経済に与える影響などについての見解が注目されそうだ。
【米6月消費者物価コア指数】(14日発表予定)
14日発表の米6月消費者物価コア指数(コアCPI)は前年比+1.7%と、上昇率は5月実績と同水準になる見通し。6月30日の5月個人消費支出価格指数(PCE)コア指数は前年比+1.4%と、FRB目標の+2.0%を下回っており、インフレの伸び悩みが意識されやすい
・7月10日-14日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。