球団史上最悪の13連敗を喫するなど、“史上最弱”と囁かれる由伸巨人。高橋由伸政権以前、“史上最弱”の汚名を受けていたのが堀内恒夫監督率いる2005年の巨人だった。堀内氏に今年の巨人の低迷の理由を尋ねると、こうぼやいた。
「愚痴になっちゃうから、これまで取材は全て断わってきたんだけどな……」
2005年の堀内巨人は、「守りの野球」を掲げたが、クローザーとして獲得したミセリが開幕1か月で退団。上原浩治、高橋由伸、清原和博、ローズら主力の相次ぐ故障離脱によって、球団ワーストの80敗を記録した(順位は5位)。
“弱い巨人”を率いる監督の気持ちを誰よりも理解する堀内氏はこう語り始めた。
「高橋監督の最大のミスは『外国人選手の入れ替え』です。7連敗となった6月1日の試合直後、監督は守護神のカミネロを二軍に落とし、貧打解消のために内野手のクルーズを一軍に上げた。そのせいで、チームを支えてきたカミネロ→マシソンとつなぐ“勝利の方程式”が崩れたのです」
それまでカミネロは21登板で13セーブ、防御率1.96と絶好調だった。一方でチーム打率は2割3分7厘と低迷。そこで由伸監督は、当時二軍で3割8本塁打を打っていたクルーズの昇格を決断しカミネロを二軍へ。それが裏目に出た。由伸監督には同情する面もあるという。