常夏の国・シンガポールは早朝4時でも湿度90%。7月10日、うだるように暑い空港に到着した羽田発の便は、一足早い夏休みを同国で過ごそうという人たちでごった返し、熱気ムンムンだった。そのフライト客の集団の最後に、車椅子の女性がいた。松田聖子(55才)だ。ファーストクラスのカーテンが開き、空港職員にガードされながら、ゆっくりと出口を目指す。
「大きなマスクをしていましたが、肌が真っ白で髪はツヤツヤ。赤い靴ひもが目立つニューバランスもおしゃれだなと思いましたが、まさかあの松田聖子とは…。しかも、車椅子に乗って移動していたから驚きました」(飛行機に乗り合わせた旅行客)
その直前の7月8、9日の2日間、聖子は日本武道館のステージ上にいた。コンサートツアー『Daisy』の東京公演真っ最中だったのだ。しかし、その姿はいつもと違った。
「全曲、椅子に座りっぱなしで歌っていたんです。不慮の事故で、怪我をしてしまったみたいで。聖子ちゃんはコンサート中何度も、『ごめんなさいね』と口にしていました。それでもあの歌声と笑顔はいつも以上。パワーをもらえました」(観客のひとり)
芸能関係者によると、聖子はコンサートの1週間前に転倒したのだという。
「後ろ向きに滑るように転んで、腰と背中、それから肩を強打したそうです。かなりの重傷でコンサートの2日前までは起き上がることもできず、武道館公演は中止も検討されました。しかし、聖子さん自身がコンサートの開催を強く希望したことで、予定通りの開催となりました」
聖子がどうしてもステージで歌いたかった理由。それは2つあるという。