棋士デビューから前人未到となる29連勝を成し遂げた藤井聡太四段(14)。棋士であれば“藤井四段の攻略法”に思いを巡らせることだろう。
「え、それを私に聞くんですか? 私が何か言えることがあるのかどうか……」
訝しげに答えるのは、熊坂学五段(40)だ。
熊坂五段は24歳でプロデビューするも、規定の成績が残せず史上最短で“強制引退(*注)”に追い込まれた経歴の持ち主。「史上最弱棋士」とも呼ばれる。
【*名人戦順位戦C級2組からフリークラスに陥落した棋士は、その後10年以内に再び昇級できないと引退となる】
引退後は出身地の仙台で「杜の熊さん将棋教室」を営む熊坂五段に、藤井四段と対局したいかと聞くと、「将棋盤を挟んで相対することがあったら、棋士としての本能的な闘争心が絶対湧いてくると思います」とやる気の様子。では、勝つ自信は?