夜空に天の川が煌めく七夕の深夜24時。開演までまだ18時間以上あるというのに、会場はすでに当日券を求める人だかりができていた。夜半すぎでも気温は25℃以上の熱帯夜。それでもたった10枚ほどしか用意されなかった当日券を求めて列は伸びていく。
7月8日に始まった舞台『子供の事情』はチケット発売前から注目度大。三谷幸喜(56才)演出・脚本で、出演者も天海祐希(49才)、吉田羊、伊藤蘭(62才)、大泉洋(44才)と豪華だ。平均年齢46.8才だが、全員が10才の小学4年生を演じるという奇抜な設定にも注目が集まった。前売りチケットは発売と同時に全日完売。オークションサイトでは、1枚十数万円もの高値がついた。
芸能界でも関心が高く、古田新太(51才)や北斗晶(50才)をはじめ、黒柳徹子(83才)も観劇予定という。そんな舞台に天海は並々ならぬ覚悟で挑んでいる。
「天海さんは2013年、三谷さんの舞台『おのれナポレオン』を軽度の心筋梗塞で途中降板しました。“あのとき迷惑をかけた恩返しをしたい”と思い続け、ずっと三谷作品への出演の機会をうかがっていました」(舞台関係者)
『おのれナポレオン』では急遽代役に抜擢された宮沢りえ(44才)がたった2日の稽古で完璧に演じきり、喝采を浴びた。
「約2か月稽古づけで挑んでいた天海さんにとっては、複雑な思いもあったでしょう。あれから4年が経ちましたが、天海さんは今でもその時の悔しさを鮮明に覚えているそう。しかも、今回の舞台は宮沢さんも見に来る予定のようで、天海さんはますます気合が入っているようです」(スポーツ紙記者)
今回の天海の役柄は「アニキ」と呼ばれるクラスのリーダー的存在。天海がボーダーTシャツにサロペット姿で登場すると、観客席から「かわいいー!」と声が飛んだ。そんな天海に静かな闘志を燃やしているのが吉田だ。
「天海さんは宝塚時代から陽の当たる場所を歩いてきた人。一方の吉田さんは、2014年にブレークするまで無名時代も長かった。だからこそ、その頃から何度も出演している三谷作品では絶対に見劣りしたくないという思いがあるのでしょう。ベテラン役者揃いの中、どうしたら自分の個性が埋もれないか、毎日悩みながら稽古に臨んでいたようです」(前出・舞台関係者)
ランドセルを背負い、ツインテールをピンクのリボンで結んだ吉田の存在感も負けていない。“大人の事情“で女優魂に火がついた。
※女性セブン2017年7月27日号