相撲ブームが沸騰している。「謎のスー女」こと尾崎しのぶ氏が、現在相撲コラムを週刊ポストで執筆中。今回は、アキレス腱断裂から復活した安美錦について尾崎氏が綴る。
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昨年のアキレス腱断裂に、もう終わりだ、と思ったことを恥じる。二場所ぶりで土俵に復帰した九月場所、張りのなくなった身体を見て「無理しないで」と思った自分も、腹立たしい。先場所は、千秋楽まで十両優勝をあらそった。こんなに活躍されると、また「アミー!」と黄色い声でさけんでしまう。
女性男性問わず、安美錦を好きでない相撲ファンに会ったことがない。私は、安美錦を嫌いな人に会いたい。どの点を嫌っているのかを聞けば、それはまた安美錦の強烈な個性であると知ることができる。そしてさらに惚れなおすだろう。
ただし、相撲ファンに限らなければ、安美錦を好きでない人はいた。顔も見たくない、すれちがうことさえ嫌だと、安美錦をまるで悪魔のように避けていたのは高見盛(現・振分親方)。現役中の高見盛は、翌日の対戦相手についての質問は決してしないでください、と記者にお願いしていた。