谷田部みね子(有村架純・24才)が行方不明の父とニアミスし、上京していた小祝宗男(峯田和伸・39才)が「みね子を頼んだ!」と奥茨城に帰っていった。絡み合う人間模様がいよいよ動き出したNHK連続テレビ小説『ひよっこ』の人気が止まらない。
7月4日の放送では、番組最高視聴率の21.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。そんな『ひよっこ』の舞台や小道具の豆知識をお伝えしよう。
◆新オープニングのかき氷は全コマ別撮り
7月3日の後半戦のスタートから、オープニングの映像も一部変更された。新たに加わったのは、厨房でかき氷機が回転しているシーンで、かき氷機はメリーゴーラウンドに見立てられている。
「これまで、オープニング映像の動きはCGで処理していたのですが、この撮影では、アナログな手法を使っているんです。撮影には何時間もかかりました」
こう話すのはオープニングの映像制作を担当した映像ディレクター森江康太さんだ。
「かき氷機、背景、そして回転する氷は別々にコマ撮りをし、その後3つの映像を合成しています。氷は溶けてしまうので、よく見ると、後半は氷の表面にツヤが出ているのがわかると思います(笑い)」(森江さん)
◆みね子のスタジャンは高ちゃんにもらった!
昭和のファッションを見るのも楽しい『ひよっこ』。茨城時代から、すずふり亭で働くようになるまでの気持ちの変遷もファッションから見えてくる。衣裳担当の宮本茉莉さんが裏話をこっそり教えてくれた。
「茨城時代のみね子は、畑仕事を手伝っているので、動きやすいパンツスタイル中心です。制服のスカートをあまりはかないのは、動きやすいことに加え、妹のちよ子(宮原和・12才)に譲るためにも大事にしていることの表れ。乙女寮では、先輩たちの影響もあってスカートが増えます。母親の手作りの赤のコートやブラウスはお出かけ着ですが、みね子にとってのお守りみたいになればいいなと思って作りました。
また、すずふり亭で働き出してから青いスタジアムジャンパーを着ていることがありますが、あれは高子さん(佐藤 仁美・37才)にもらったものという裏設定もあるんです」
島谷の衣裳にも、彼のバックボーンが表れているという。
「1960年代はVANを中心にアイビーファッションが全盛でした。島谷は華美に見られたくないので、ベーシックなアイビーファッションが中心ですが、ときどき編み込みのセーターや黄色いニットで、拭えないお坊ちゃま感も出しているんですよ(笑い)。
宗男さんはイギリスのアイテムを小物などで取り入れ、独特のキャラクターをつくりました。小祝宗男役の峯和伸田さんに『楽! おれの私服みたい』と言ってもらい、違和感なく役に入ってもらえるかなと嬉しくなりました」(宮本さん)