最近は、原因不明で治りにくい潰瘍性大腸炎の患者さんに対して、健康な人の腸内フローラを移植する「糞便移植療法」なども登場している。
ぼくは長野県で健康づくり運動に取り組んできたが、血管の健康とともに、腸の健康についても強調してきた。腸内フローラは、体調や食生活で、改善することが可能なのだ。
腸をよくするためには、食物繊維と発酵食品がいい。食物繊維は便のかさを増し、便通を整える。積極的に野菜を食べようと呼びかけた結果、長野県は野菜摂取量が日本一になった。
発酵食品は、腸内細菌を活性化する。地元の「すんき」といった乳酸菌の漬物や、チーズ、納豆、ヨーグルトなどを、できるだけ食べるように話してきた。健康にいい食事を摂っているかはうんこでわかる。頭だけ出して水に浮くうんこは、最高。
「人間としての生き方は、重厚なほうがいいが、うんこは軽いほうがいい」と言って、各地区の公民館を歩いた。
その健康づくり運動が実ったのか、2014年度に森永乳業が行なった調査で、長野県は「健康腸」の県として一位になった。いいうんこ一番になったのだ。平均寿命日本一は、いいうんこがつくっている。理想はあまり臭くなく、排泄時間が短く、形状はバナナ状といわれている。