ライフ

江戸城の無血開城は嘘? 西郷隆盛が混乱を画策した史料存在

西郷隆盛が混乱を画策した史料も存在

 歴史小説や時代劇でとりわけ人気があるのが幕末モノ。その時期のヒーローを描いた作品は多いが、中にはかなり美化されたものもあるようだ。

 幕末のヒーロー・坂本龍馬。千葉道場で剣術を磨き、「北辰一刀流の免許皆伝」が代名詞だ。しかし“剣の達人”という触れ込みが本当だったかどうかは怪しい。歴史研究家の井手窪剛氏がいう。

「佐久間象山に弟子入りし、そこで砲術を学んだのは確かで、入門状も残っています。しかし、千葉道場に入門した記録はありません。『ここで稽古した』という趣旨の書面は残っていますが、『長刀』と書いてあるので、薙刀をちょっと体験しただけと考えられるのです」

 そもそも龍馬が土佐藩時代に稽古していたのは下級武士たちが身につける『小栗流』という柔術中心の武術だったとされている。

 一方、勝海舟と西郷隆盛の会見で幕府と薩長軍の戦いが回避され、江戸城は無血開城されたという“常識”も実態はだいぶ違ったようだ。

 徳川慶喜が大政奉還を敢行したため、倒幕の大義を失った西郷。なんとか武力衝突のきっかけを作ろうと、無頼の徒を束ねさせていた伊牟田尚平に命じて江戸の町を混乱に陥れようとしたとする史料が残されている。結果、強盗、放火、殺人などが頻発。伊牟田は後に3度も江戸城内に放火し、二の丸を半焼させた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
麻布台ヒルズの個展には大勢の人が詰めかけている
世界的現代美術家・松山智一氏が問いかける“社会通念上の価値の正体” 『うまい棒 げんだいびじゅつ味』で表現したかったこと
週刊ポスト
工藤遥加(左)の初優勝を支えた父・公康氏(時事通信フォト)
女子ゴルフ・工藤遥加、15年目の初優勝を支えた父子鷹 「勝ち方を教えてほしい」と父・工藤公康に頭を下げて、指導を受けたことも
週刊ポスト
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン