今後、次々にトランプ政権とロシア側の癒着は明らかになるだろう。ロシアによる大統領選介入、選挙システムへのハッキングも指摘されている。「トランプ大統領」という存在そのものの正統性さえ疑われるのだ。
近著『そして、アメリカは消える』で詳述した通り、かつて強く美しかったアメリカが劣化すると、世界はジャングルと化してしまう。
特に今年に入ってから、各地でテロが頻発するようになった。5月から6月の相次ぐテロは衝撃的だった。イギリス中部マンチェスターのコンサート会場で起きた爆弾テロでは、22人が死亡。ロンドンのテロでは7人が犠牲となった。イランのテヘランでも国会議事堂などが襲撃され、17人が死亡した。いずれもIS(イスラム国)が関与したと見られている。
2015年にフランス・パリで起きたシャルリー・エブド襲撃事件では12人が殺害されたが、それと同規模のテロが日常的に起きるようになってしまったのだ。日本も他人事ではない。いつ国内でテロが起きてもおかしくないし、北朝鮮も「日常的」にミサイルを発射している。
金正恩が毎週のようにミサイルをぶっ放しているのに、安倍政権はいつもの「厳重に抗議する」というフレーズを繰り返すだけで、本質的な対応策を考えようともしない。国会は「加計学園疑惑」一色で、安全保障に関する論議は忘れ去られたまま閉会した。
文部科学省の「総理のご意向」文書問題では、官邸が「再調査はしない」と突っぱね続けた挙げ句、世論の猛烈な批判を浴びて結局、再調査を迫られた。安倍政権の迷走は明らかだ。