初回視聴率11.6%と好発進を切ったドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)。筋金入りの超甘やかされっ子のヒロイン・加穂子を演じるのは高畑充希(25才)。カホコを過剰に甘やかす母・泉を演じるのは黒木瞳(56才)。そして、泉の母、つまり加穂子の祖母にあたる初代役を三田佳子(75才)が好演している。
黒木と三田という2人のベテラン女優が並び立つとあって、周囲の気の使いようは相当だという。
「いろいろと“忖度”が働いて、とにかく待遇に差がないようにしているんです。“黒木さんの入りは何時ですか。三田さんも合わせないと…”とか“ロケ弁のグレード一緒ですよね”とか。何から何まで少しでも差がつかないよう横並びにしています。それでも気が気ではなくて…」(ドラマ関係者)
実際には、表だって正面からぶつかることはないが、女優としてのプライドの一端が垣間見えることもあるという。
「年齢は約20才も違いますが、黒木さんはライバル意識が見え隠れしていますね。先日、黒木さんが事前の打ち合わせで納得して決めた衣装を、撮影当日に変更したことがあったんです。黒木さんも三田さんも母、祖母役ということでカーディガンを着ているシーンがあったんですが、黒木さんが“これじゃ目立たない!”って急きょ光沢のある素材のものに変更しました。役柄のためのプロ意識はあるでしょうが、どうやら、三田さんの衣装のほうが華やかに映ると感じていたみたいで」(前出・ドラマ関係者)
そんな空気を察してか、年齢の割に芸歴が長く、元来物怖じしない性格の高畑でさえ撮影現場では2人にかなり気を使っている。
「2人の前ではなんとなく表情もこわばっていますし、一際大きな声で挨拶したりしています。そもそもは『家政婦のミタ』(2011年、日本テレビ系)を世に送り出したことで知られるヒットメーカーの脚本家、遊川和彦さんが、この大御所女優たちを担ぎ出したんです。周囲が2人にめちゃくちゃ気を使っている中で、遊川さんは2人に“一緒に写真撮りましょうよ”ってわざと声をかけたり、あえて絡みのシーンを当初の台本より増やしたりしているんです。ヒヤヒヤものですよ」(前出・ドラマ関係者)
2人の因縁は、黒木が宝塚を退団し本格的に女優業を開始した31年前にまでさかのぼる。1986年、黒木は渡辺淳一氏原作の映画『化身』で、初主演ながらフルヌードを披露するという体当たりの演技を見せ、一気にスターダムを駆け上がった。この作品での黒木の役柄は、文芸評論家に女としての魅力を磨き上げられる銀座のホステス。そして、文芸評論家の元妻役だったのが三田だった。これが2人の初共演作だ。