臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、上西小百合議員の謎の会見について。
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自身のつぶやきがもとでツイッターが炎上、殺害予告が届くまでの騒動になった衆議院議員の上西小百合氏。開いた会見で何を言いたかったのか、その真意を探ってみた。
発端は、15日のJ1・浦和レッズとドルトムントの親善試合を「遊びなのか」と揶揄したこと。これがサポーターなどから反発を買うと、「応援しているだけのくせに…他人に自分の人生乗っけてんじゃねぇよ」と挑発的なコメントをリツィート。すると殺害予告が届く事態に。
まずは事務所で開いた緊急会見、レポーターの質問に鼻息荒く「感想を述べただけ」と、謝罪する気はまるでない。それどころか、口調はどんどんきつくなり「言わせていただいただけ」「一部の過激な人に抗議のコメントを出しただけ」と、一瞬、身体をのけぞらせて自らの正当性をアピールする場面も。
見かねた公設秘書の「お詫びしないとダメ」というダメ出しにも、目を合わせず不満そうな表情で、上着のボレロを直した上西氏。こういう場で上着を直す仕草には自己防衛の意味があり、秘書に口を出されたくなかったのか、バツの悪さを隠すためか。その後も秘書からのダメ出しが続くという議員らしからぬ展開が、情報番組の話題になった。
警察に殺害予告について相談した後、開いた会見では、少しトーンの高いよそいきの声でまずは挨拶。質問が飛び出すかと右に左に首を振り、期待に満ちた視線を送るが記者たちの反応は鈍く、上西氏はつまらなそうながっかりした表情。だが次の瞬間、セットされていたマイクをいきなり手に取った。
注目されるべきは自分、とでも言いたげなこの行動は、自己顕示欲の強さの表れだろうか。記者らに質問を促すとともに、秘書のダメ出しが面白おかしくテレビで流され、自分より秘書に注目が集まる事態に、主役の座を取られてなるものかとプライドが刺激されたのかもしれない。
だが質問は出ない。すると彼女がしたのは、マイクを握りながら、指を1本あごに当てて、すねたように問いかける仕草。これは、小さい子供やぶりっ子女子が欲しいものをねだる時のお約束、ねだったものが手に入らないと、「どうして?」「わかんない!」と困らせる時の仕草ではないか。そう思って見ると、普段から彼女は、口をすぼめたり、キョトンとしたり、小首を傾げてみせたりと子供っぽさをアピールすることが多い。
この癖が染みついているのか、本人はその仕草をすると、自分がかわいく見えると思っているのだろう。しかし、それでも質問がこないと、眉尻を八の字に下げ悲しそうに、口をわずかに尖らせ苦笑した。