企業に対し、「社会貢献」「社会的責任」が求められて久しい。投資家たちも、就職先を選ぶ学生たちも、「この会社はどんな社会貢献ができるのか」といった視点で企業を見るようになった。しかし、大前研一氏は、「人事への力の入れ方」こそ「良い会社」を判別する指標になると指摘する。
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実際、私がいたマッキンゼーでは、まさに「人材がすべて」という考えで「成長のGRID」と呼ばれる評価システムを厳密に運営していた。
だが、そういうことをやっている日本企業は、ほとんどない。リクルートはかつて「実質的な38歳定年制」と呼ばれた極端な制度で独立心や起業家マインドなどを鼓舞していることで知られているが、その他の企業となると、私の知る限り、インターネット広告・メディア・ゲーム事業で知られる「サイバーエージェント」くらいである。
同社は創業20年足らずで売上高が約3100億円(2016年9月決算)に達しているが、その成長の大きな原動力は人事と企業戦略を綿密に結び付けていることだ。