6月に就任したばかりの鹿取義隆GMが主導して、巨人軍では異例のコーチ異動でテコ入れを図って後半戦に備えたが、いまだチームはばらばらのままだ。
「ポイントは尾花(高夫)氏が一軍投手コーチから外れたことでしょう。コーチとしてリーグ優勝9回、日本一4回という実績を持つ尾花氏は、高橋由伸・監督の経験不足を補うために昇格した。ただ、今季は野手が凡退すると露骨に嫌な顔をする場面が目立ち、ベンチ内をギクシャクさせてきた。エース・菅野(智之、27)も尾花コーチ主導での不可解な降板があり、納得いかない様子だった」(担当記者)
後任に抜擢されたのが11試合連続完投勝利の日本記録を持つ斎藤雅樹氏である。巨人OBでエースとしてV9を支えた城之内邦雄氏は、「生え抜きで、しかも実績のある斎藤がズバズバものをいえば、巨人が変わるきっかけになれると思う」と期待を込めた。
斎藤コーチは二軍監督就任1年目の昨季、チームを21年ぶりのファーム日本一にも導いた実績もある。ただ、今回の人事がチーム立て直しを最優先で考えたものかは疑問も残る。
「そもそも、巨人がテコ入れすべきはリーグ3位の防御率(3.47=7月18日時点、以下同)の投手陣なのか。打率(.244)、本塁打数(51本)ともにリーグ5位の打撃部門に手を入れなければ、反転攻勢は望めないはず」(スポーツ紙デスク)
その違和感を紐解くキーワードが「原人脈」だ。斎藤コーチは村田真一・ヘッドコーチと並んで原辰徳・前監督(現・球団特別顧問)の側近として知られる。