近年、高齢者に「出会いの場」を提供する業者が急増している。本誌記者が潜入したのは“業界最高齢”となる68歳以上限定のイベント。
真夏日を記録した7月のある平日の昼下がり。大阪・梅田のオフィスビルの一室に白髪交じりの男女19人が集まっていた。今回は「68歳以上の男性」が参加資格の出会いパーティーだ(女性は年齢制限なし)。
主催するのは、50歳以上の独身者を対象とした会員制クラブ『森羅倶楽部』だ。このクラブは様々な出会いの場をシニアに提供しているが、「68歳以上限定」は前例がなく、“業界最高齢”だという。パーティーの開始直前、『森羅倶楽部』代表の阪本英嗣氏はこう説明した。
「4月に初めて68歳以上限定のパーティーを初開催したところ、男女合わせて26人の参加がありました。各年代のイベントで男女各10人程度を定員としていますが、すぐに埋まってしまう。独身の方々に人生の終幕を幸せに過ごしていただくことがコンセプトです」
参加者は3万円からの入会費を払った会員が中心だが、参加料3500円を払えば非会員も参加できる。
この日は最高齢80歳の参加者を含む男性9人と、57~70歳の女性10人が参加。開始前の参加者からは、独特の緊張感が漂う。女優の萬田久子を思わせるスレンダーな60代女性は参加動機をこう語った。
「熟年離婚してから6年になりますが、一人暮らしだと気持ちの落ち込みも激しい。そんなときに一緒にいてくれるパートナーがいるかどうかは、老後が寂しく枯れたものになるか、幸せで豊かなものになるかの分岐点だと考えるようになったんです。爽やかで楽しい男性が希望ですね」