何かと世間を騒がせている有名人たちの不倫騒動。その影響かどうかわからないが、探偵会社に対する不倫調査の依頼が増えているという。依頼者のほとんどは女性で、夫の不倫の証拠を掴んで、離婚裁判を有利に進めたいというケースが多い。
そこで、本誌・女性セブンは、探偵会社が行う不倫調査に密着取材を敢行した。依頼者は結婚22年目の主婦・A子さん。大学1年生のひとり息子がいる。商社勤めの夫・B氏の不倫には3年前から薄々気づいており、これまで地道に証拠集めを続けてきた。夫婦間の愛情はすでに皆無。子供がひとり立ちした時点で離婚の意思を固めており、“詰めの一手”として、ママ友から紹介された探偵会社に連絡したという。
6月末の平日、早朝5時。まだ夜が明けきらぬうちに、調査部隊は夫婦が暮らす都心の高級マンション前にスタンバイ。徒歩部隊2人とバイク部隊1人の3人態勢だ。
マンションから少し離れた大通りにバイクが待機し、徒歩の2人はエントランスが確認できる道路の端に立つ。
徒歩部隊は中年のベテラン調査員と中堅調査員で、2人とも半袖のシャツにデニム、スニーカーとラフな格好。缶コーヒーを片手にスマホをいじるが、その目線はマンションの玄関を外さない。
「マルタイ(調査対象者)の動きを絶対に見逃さないためです。妻からの事前情報でマルタイの服装やかばんを確認しています。地元住人として違和感のないよう、調査員の服装は目立たず地味なものを選びます」(ベテラン調査員)
依頼人によれば、B氏はこの日、朝から愛人が住む京都に出張する予定。バイクは万が一、B氏がタクシーを使った場合に備えたもので、この日の尾行態勢は徒歩部隊を重視する。
朝7時過ぎにB氏が姿を現した。佐藤浩市似の顔立ちでグレーのスーツがダンディーな雰囲気を醸し出す。
B氏は最寄りの駅まで歩いてJR山手線経由で品川駅へ。新幹線の切符売り場では、それまで距離を保っていた中堅調査員がB氏の真後ろにピタリと張りつき、のぞき込むようにして行き先を確認した。目的地はやはり京都だった。
「実際には事前情報と違う場所に向かうことも珍しくない。新幹線に乗車したら突発的に途中駅で下車することがないよう、すべての途中駅でドアをチェックします」(ベテラン調査員)
一同はB氏と同じ新幹線に乗り込み京都に向かう。京都駅到着後、依頼人から報告のあったスケジュールの通り、B氏は京都駅前のホテルで開催された業界研修会に参加。
事態が動いたのは、研修会が終了した午後5時過ぎ。以下、時系列で「マルタイ」の動きを追う。
17時15分/京都駅前のホテルを出たB氏は、何度もスマホをチェックしながら地下鉄に乗り込み、繁華街の四条河原町に向かう。先ほどまでのビジネスモードとは打って変わってリラックスした様子で、スマホを見つめる表情にも笑顔が見られる。
17時31分/河原町駅に到着したB氏は定宿のシティーホテルにチェックイン。