近い将来「女子野球甲子園」が実現するか
夏の甲子園代表校が次々と名乗りを上げた7月25日。朝日新聞朝刊に〈これからの甲子園に欠かせないのは女子の力〉という異色のキャッチコピーがデカデカと掲載された。
これは書籍『甲子園進化論 女子の力で変わる未来の甲子園』(幻冬舎刊)の宣伝広告。著者は「元祖・甲子園のアイドル」として一世を風靡した太田幸司氏だ。
1969年夏、青森・三沢高のエースとして愛媛・松山商業と戦った決勝は今も語り草となっている。延長18回を投げ抜き0対0、翌日の再試合で敗れたものの、その端正なマスクで絶大な人気を集めた。その後、近鉄では58勝を挙げている。
太田氏は現在、女子プロ野球のスーパーバイザーを務めている。同著ではその立場から「女子選手を甲子園のマウンドに立たせよ」と力説しているのだ。太田氏がいう。
「女子硬式野球部は全国に26校ある。これは夏の甲子園の鳥取県予選参加校(25校)よりも多い数です。春と夏に行なわれる女子硬式野球の全国大会決勝を甲子園で開催すれば、きっと女子選手の励みになり、球界全体が盛り上がるという提案です」
夏の甲子園では、1996年から女子マネージャーのベンチ入りが認められているもの、依然、女子は選手としてグラウンドに立つことはできない。その旧態依然とした「女人禁制」状態に、太田氏は一石を投じようとしているのだ。