和泉洋人補佐官、本当に覚えてない?(写真:時事通信フォト)
7月24~25日に行なわれた10時間に及んだ閉会中審査は、安倍政権にとって加計学園疑惑を晴らすどころか、疑念をさらに深める結果となった。その“戦犯”は、重要な局面になると「記憶にない」という答弁を連発したエリート官僚たちだ。
参考人招致された和泉洋人・首相補佐官(64)は、疑惑解明の鍵を握るとして注目された。前川喜平・前文部科学次官(62)に対して「総理は自分の口からは言えないから、代わって私が言う」と開学手続きを急ぐよう迫った発言について問われると、奇妙な“三段論法”を展開した。
「こんな極端な話をすれば、私も記憶が残っております。そういった記憶は全く残っておりません。したがって言っておりません」
昨年9月に前川氏と面会した事実は認めながら、会話内容の一部だけ記憶がないという。
柳瀬唯夫・経済産業審議官(56)も珍妙な答弁を連発した。首相秘書官在任中の2015年4月に、上京した愛媛県今治市の職員と首相官邸で面会したのかを問われると、「記憶を辿る限り今治市の方とお会いしたことはない」と答弁。
「事実として否定したということか」と問い詰められると、「事実として、私の記憶のある限りはお会いしていない」と留保条件だらけの回答をした。
エリート官僚たちの記憶力は、それほど頼りないものなのか。とくに柳瀬氏は質問に立った民進党・桜井充氏と「7~8年前に会食でご一緒した」という“記憶”は残っているというから不思議でならない。認知症に詳しい医師で作家の米山公啓氏は、こう推察する。