すでに全国各地で35℃を超える猛暑日が観測されているが、最も気になるのは熱中症のリスクだ。総務省消防庁の発表では、6月だけでも全国で3481人が救急搬送されている。特に高齢者には危険が伴う。2015年の熱中症による死亡者968人のうち、8割超の781人が65歳以上である。
高齢者で危険性が高まるのは、熱中症だけではない。冬に多いと思われがちな脳卒中だが、脳梗塞に限ればむしろ夏のほうが多い。国立循環器病研究センターによると、2008~2011年の脳梗塞患者2055人の発症時期は、夏(6~8月)が529人で、冬(12~2月)の521人を上回り最多だった。
『長生きするのはどっち?』(あさ出版刊)の著者で、秋津医院院長の秋津壽男医師が語る。
「夏は脱水による体内の水分不足で血液がドロドロになって、血管が詰まりやすくなる。特に高齢者は加齢とともに血管の弾力性が失われており、狭い部分があると、そこが詰まりやすくなるのです」
めまいや吐き気、頭痛、しびれ、ふらつきなどの症状が現われた時には、すでに熱中症や脳梗塞を発症している可能性が高い。そうなる前に、脱水症状になりかけているかどうかをチェックする大きな基準が「尿の色」だ。
『いまさら聞けない健康の常識・非常識』(主婦の友社刊)の著者で、池谷医院院長の池谷敏郎医師がいう。